ニャンコがお出迎え?! 招き猫の寺「海雲寺」を訪ねる
安中市郷原、国道18号線から碓氷川側に少し入った閑静な地にたたずむ「曹洞宗 江月山 海雲寺」は、「招福観音」を祭る『招き猫の寺』としても知られている。山門前にもかわいらしい招き猫の姿があり、石造りの猫ちゃんが『おいでおいで』と招く。同寺でいただいた「招福観音由来」によると、東京・世田谷区にある豪徳寺が、同寺の観音様と深く関わっている様子だ。
その昔、武蔵野に弘徳院という庵があり、1人の老僧が住んでいた。僧侶の名は秀道老師。僧はたいへん徳のある人物で、観音様を拝し、猫を愛でつつ日を送っていたという。ある日、武蔵野の地に狩りに出ていた彦根藩城主・井伊直孝公(二代藩主です。今年の大河ドラマでも話題になるでしょうか?! )が時ならぬ雷雨に見舞われる。公が雨宿りをする場所を求めていたところ、小道のかたわらに一匹の子猫が・・・。見ると、何やら片手を挙げて『手招き』をしているようである。不思議に思いながらも、猫に招かれるままに道を進むと、そこに弘徳院がたたずんでいた。庵で雨をしのいでいる間、迎えてくれた秀道老師と語らった直孝公。その人柄、徳の高さにすっかり惚れ込み、一寺を建立。これが井伊家菩提寺となった豪徳寺開山のいわれであり、秀道老師に愛された猫は『観音様の眷属(けんぞく=お使い)』として、ご恩返しをしたのだともいわれている。
さて、安中の地の海雲寺はというと、同寺の住職が先述の豪徳寺で修業したことを縁に分身を勧進。全国でも数少ない招き猫の寺として知られるようになった。お寺で授けられる「招き猫」は、高崎市で作られる張り子の猫。観音様のお使いとして祭っており、招福開運、商売繁盛、家内安全、良縁招来、厄難消除などの祈願にご利益があるという。
思えば、今月は猫に関係のある月?! 2月22日の「猫の日」にちなんで、お参りしてみてはいかがでしょうか。
招き猫の根付けは白と黒の2種。聞けば、黒は「魔除け」のご利益があるという。私も受けちゃいました、黒猫ちゃん。