なんもくカタクリこみち祭り開催
4月2日(日)午前9時から午後3時にかけて、群馬県甘楽郡南牧村六車(むくるま)地区のカタクリ群生地付近で「なんもくカタクリこみち祭り」が開催され、地域内外から多くの人が訪れた。会場では郷土料理の「おつみっこ」が無料でふるまわれたほか、地域住民や商店などによる特産品販売も行われた。
南牧村六車地区の南側の斜面には、大規模なカタクリの群生地があり、毎年春になると数多くのカタクリが可憐な紫色の花をつける。
カタクリは、種が落ちてから花をつけるまで7年かかるという。地域の住民たちは、夏には草を刈り、冬にはシカの食害を防止するための防獣ネットを整備し、春先には遊歩道を整備したりして、この群生地を大切に守ってきた。それでも数年前には大規模な食害が発生し、第一群生地ではだいぶ株数が減ってしまったという。
今年度は直前まで天候不順による低温が続いていたため、カタクリの開花が遅れ、関係者を心配させていたが、祭りの当日には日当たりの良い斜面で花が開き始め、開花の瞬間をとらえることもできた。
祭りの会場では、村内の店舗や住民によるだんご、やきもち、コーヒー、手作りこんにゃく、絵画などの販売が行われたほか、来場者には綿菓子や手作りのペンギンの置物などがプレゼントされ、11時ごろからは郷土料理「おつみっこ」も無料でふるまわれた。
「カタクリこみち祭り」も、長年主催してきた六車花の会は高齢化が進み、一時は途絶えてしまったことがある。その祭りを、3年前に若手を中心とした「南牧村次世代担い手づくり支援協議会」が復活させたことは、NHKのドキュメンタリー番組「目撃!日本列島」でも取り上げられた。現在では地域住民や学生団体「なんもく大学」、村役場などの協力を得ながら実施されている。
なお今年は、天候の影響でカタクリの開花が遅れ気味であるため、群生地全体が見頃になるのは4月9日ごろになりそう。祭りの後でもカタクリの群生地はいつでも見ることができ、平年は4月中旬ごろまで花を楽しむことができる。
高崎の市街地からでも1時間余りで行ける距離。春を待っていた可憐な紫色のカタクリの花に、ちょっと会いに行ってみてはどうだろうか。
【行き方】
公共交通の場合は、上信電鉄下仁田駅から南牧ふれあいバスで「六車」下車。
自動車の場合は上信越自動車道下仁田IC方面から南牧村方面に進み、県道45号(下仁田上野線)、県道93号(下仁田臼田線)を進んで約25分。カーナビの場合は「南牧中学校」を目印にして、そこから県道を西に約1350m進むと駐車場。
※群生地への入り口は閉じていますので、柵の開閉はご自身で行ってください。なお、お帰りの際は柵を確実にお閉めになってください。群生地の保存のため、ご協力をお願いいたします。