(藤岡) 「浮気商店前」珍名バス停消える

(2017年11月23日)

 2017年11月1日に日本中央バスの路線バス「奥多野線」(かんながわ号)でダイヤ改正が行われ、一部で珍バス停名として知られていた「浮気商店前」(藤岡市坂原)が移転し、「新高瀬橋」に改称されたことが分かった。橋の開通に伴うバス路線の変更に伴うもの。しかし、11月19日現在でも旧バス停名の痕跡は残っていた。

 日本中央バスの「奥多野線」は、高崎市の新町駅を起点に、藤岡市、神流町、上野村を結ぶ路線バスである。全線を乗り通すと2時間以上、バス停数131(2017年11月1日現在)にも及ぶ、関東地方でも有数の長距離バス路線だ。

 「浮気商店前」バス停は、このバス路線の中ほど、神流湖沿岸の国道462号を走る区間にあった。この区間は地形に沿って急曲線を描くように道路が通っていたため、2009年度から線形改良工事が行われており、急曲線解緩和のために2018年度までに5本の橋が建設される計画になっている。新バス停名にもなっている新高瀬橋は、そのうち4番目に建設された橋で、南沢川を渡る高瀬橋経由のルートをショートカットする橋として、2017年3月30日に開通した。
 「浮気商店前」バス停は高瀬橋経由の旧ルート上にあったため、バス路線を新高瀬橋経由に変更するにあたって移転し、名称を変更することになったようだ。

新高瀬橋の全景。左に入る道が旧道。新高瀬橋バス停は、写真の右端あたりに設置された。

在りし日の「浮気商店前」バス停。2016年6月撮影。

 さて、「浮気商店前」から移転した「新高瀬橋」バス停は、橋の東側にある鬼石町消防団第9分団詰所の前に設置された。バス停の標識柱は浮気商店前の時のものがそのまま流用されたようで、バス停名のところに上から「新高瀬橋」と書かれたシールが貼られているほかは、「藤岡市」というラベルのはがれ方や、柱の汚れなど「浮気商店前」時代のもののままだ。
 よく見ると、時刻表に書かれているバス停名は「浮気商店前」のままだった。バス停の移転と改名は意外と急な動きだったのかもしれない。この名前も次回のダイヤ改正時には修正されることだろう。

 なお、旧バス停名の「浮気商店前」は、「うきしょうてんまえ」と読むそうだ。

(取材・文・写真/藤本理弘)


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